あやなき恋
お父さんとお母さんは元気にやってるのかな。
…もう、離婚したんだった。
私が高校出てすぐそういう話し合いになった。
今まで私のために我慢してくれていたんだと感じた。
お母さんにごめんねって泣かれた時、私は真っ白になったんだ。
それから荷物をできるだけつめて電車に乗って、東に向かった。
そうだ、その後たまたま降りた駅で、私はママに会ったんだ。
私は部屋の窓を開けたままにして、お湯を沸かした。
コーヒーのふたをあけると独特の匂いが広がる。
「ごめんなさいね、ちょっと荷物運ぶの手伝ってくれないかしら。」
着物姿が美しくて、つい見惚れてしまった。