あやなき恋
「つい買い込んでしまってね。すぐそこなのだけれど」
私は快く返事をした。
心のなかにスッとママが入り込んできて離さなかった。
あの感覚は今でも鮮明に思い出せるくらい。
そこからは、ここで働かないかと誘いを受けて、お礼にこの部屋まで貸してくれた。
本当にラッキーな話
ラッキーといっても、運がよかったっていう意味のラッキー
「あ、はい、もしもし」
電話はママからだった。
「ヒナ、今日ねぇ、あたしの知り合いがお昼頃から来るの。早めに来て、一緒にお相手してくれないかしら」
私は二つ返事をして電源を切った。
そうだ、髪をとかさないと。