あやなき恋
「おはようございます」
お店のドアをあけるとママがテーブルで作業していた。
「おはよう。ごめんなさいね、急にお使いを頼んでしまって」
「いえ、気にしないでください」
私は少し笑ってママにお茶を継ぎ足した。
「じゃあ、掃除してきます」
「控え室もみてもらっていいかしら。昨日菜々子が散らかしたって陸が怒ってたわ」
「神経質ですから、陸さんは」
仕方ないわね、と言ってママはまた作業に目を向けた。
私はロッカーから箒を取り出して、控え室に向かった。