ドッペルゲンガー ~怪事件捜査倶楽部~。
「ヤース!」
元気良く秋葉が元・第二資料室のドアを開けた。
すると、一番初めに目に飛び込んできたのは、あかねだった。
あかねは暗い空気を背負って、ひざを抱え、机の上に座っていた。
「……なにやってんだ?っていうか、表札出てねえじゃん。どうしたんだよ?」
「それは聞かないで!」
あかねにピシャリととめられた秋葉は訳がわからずに首をかしげた。
「はあ?なんなんだよ?」
すると由希が秋葉に近づき、これまでの経緯を大まかに説明した。
実は撤去最中に手伝ってくれた生徒に笑われ「沢松さん、このクラブに入るの?」とバカにされたように言われたのが相当こたえたらしい。
「なぁるほどね!」
秋葉は納得して数回頷いた。
「で?要は何処にいるんだよ?」
「それが、何も言わないで、出て行っちゃって……」
由希は弱々しくこたえる。
「んじゃ、トイレにでも行ったのかな?」
さっきから黙っているあかねを、秋葉は調子悪そうにちらりと見る。
するとそこに要が帰ってきた。
「あら?秋葉来てたの?そろそろホームルームが始まるから来ないと思ってたんだけど」
「ん、ああ」
そっけなく答えた秋葉に向かって、要は数回頷いた後
「出来たわよ!あかね」
と静かに言ってぶっきらぼうに、手に持っていた板切れをあかねに向かって投げた。
呼ばれて振り返ったあかねの膝の上に、ポトンと板切れが着地した。
それを怪訝そうにあかねが拾い上げ、それに書かれている文字を見た瞬間、目を見開いて驚いた。
「これ……!」
一言小さく呟いて、要をマジマジと見つめる。
「それ取りに行ってたんだ。それはあたしの手作りじゃないからあたしは気に食わないんだけど。それがないと、クラブとしての顔が立たないでしょ」
その板切れは 表札 だった。
今度のはちゃんとした、まともな表札だった。
木の板に、黒字で習字のように格好よく『怪事件捜査倶楽部』と書かれていた。
元気良く秋葉が元・第二資料室のドアを開けた。
すると、一番初めに目に飛び込んできたのは、あかねだった。
あかねは暗い空気を背負って、ひざを抱え、机の上に座っていた。
「……なにやってんだ?っていうか、表札出てねえじゃん。どうしたんだよ?」
「それは聞かないで!」
あかねにピシャリととめられた秋葉は訳がわからずに首をかしげた。
「はあ?なんなんだよ?」
すると由希が秋葉に近づき、これまでの経緯を大まかに説明した。
実は撤去最中に手伝ってくれた生徒に笑われ「沢松さん、このクラブに入るの?」とバカにされたように言われたのが相当こたえたらしい。
「なぁるほどね!」
秋葉は納得して数回頷いた。
「で?要は何処にいるんだよ?」
「それが、何も言わないで、出て行っちゃって……」
由希は弱々しくこたえる。
「んじゃ、トイレにでも行ったのかな?」
さっきから黙っているあかねを、秋葉は調子悪そうにちらりと見る。
するとそこに要が帰ってきた。
「あら?秋葉来てたの?そろそろホームルームが始まるから来ないと思ってたんだけど」
「ん、ああ」
そっけなく答えた秋葉に向かって、要は数回頷いた後
「出来たわよ!あかね」
と静かに言ってぶっきらぼうに、手に持っていた板切れをあかねに向かって投げた。
呼ばれて振り返ったあかねの膝の上に、ポトンと板切れが着地した。
それを怪訝そうにあかねが拾い上げ、それに書かれている文字を見た瞬間、目を見開いて驚いた。
「これ……!」
一言小さく呟いて、要をマジマジと見つめる。
「それ取りに行ってたんだ。それはあたしの手作りじゃないからあたしは気に食わないんだけど。それがないと、クラブとしての顔が立たないでしょ」
その板切れは 表札 だった。
今度のはちゃんとした、まともな表札だった。
木の板に、黒字で習字のように格好よく『怪事件捜査倶楽部』と書かれていた。