ドッペルゲンガー ~怪事件捜査倶楽部~。
「うんっと、友達と一緒のところを見た、とか?」

「かもねぇ。そのセンあるかも」

「その人が誰か分かったら聞けるのにね」

残念そうにあかねがぼやいた。

すると要が何かを考えながら、呟くように言う。

「……聞けるかもよ」

その言葉に驚くよりも先に、秋葉が反論した。

「でもそのオヤジ顔隠れたぞ」

「うん。でも連絡先は分かるかも」

「テレビ局の人に聞くとか?」

あかねが訝しがって聞くと「ううん」と首を振って答える。

「テレビの人は教えてくれないっしょ。それより面白がられてコッチが取材受けさせられちゃうのがオチだね」

「じゃあ、どうするの?」

「これはとりあえず、あたしに任せて」

一抹の不安は感じたものの、あかねは静かに頷いた。

その後に続き、秋葉が「よろしくな!」と敬礼をする。

「あいっ!まかせんしゃいっ!!」

要がふざけて顎を突き出し、敬礼をし返した。

「なにそれ」と笑いが起きる中、由希は腕を組みながら右側の足に体重を乗せ、なにやら考えるように要を見つめていた。

「まあ、とりあえず、この件は要に任せるとして。あかね、お前なんかないのか?」

「私?……私の情報は、今のところないわ、ね」

気まずそうにあかねが答えると、由希も気まずそうに「私も、ないです」と言った。

「じゃあ、とりあえずウチの学校に犯人がいるかもって事だけ頭に入れといて。些細な情報

でも、手に入ったら必ずメンバーに知らせる事!――良いかな!?」

要は人差し指を前に突き出しながら言う。

それを合図のようにして三人は声を合わせ、拳を高く掲げた。

『いいとも~!』

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