ドッペルゲンガー ~怪事件捜査倶楽部~。
翌朝・早朝――
「おはよ」
要は短くあいさつをすると、一緒に歩いていた秋葉とあかねに合流した。
「おす! どうしたんだ? あかねだけじゃなく、要までこんな朝早く。あかねに聞いてもブス~としてるだけでよ。ま、低血圧だからしゃーねーけどな」
「まったくよ!「おはよ」じゃないわよ! こんな朝早くから起こして「今から学校行こう」ってどういう事?」
あかねは不機嫌に言って、一人で前に出て歩き出した。
「何だそれ?」
「あははは、秋葉は部活だから、電話しなくても会えるなぁと思って、しなかったんだぁ」
「そうなんか」
「そうなんよ。ちょっと、よって行きたい場所があるんだよ。良い?」
「良いけど、由希は呼んだのか?」
「うん。呼んだ」
数メートル進むと、家のカドに由希が立っていた。
由希は指を合わせてモジモジさせながら、あいさつをする。
「おはよう」
すると、すぐに友人の異変に気づいた。
「どうしたの? 要ちゃん、何となく、元気ない。……あかねちゃんは、すごい、ブス~って、してるね。……怒ってる?」
「あったりまえよぉ!! 何か、要が行きたい所あるからって、起こされちゃってさっ!」
「あ、それで電話あったんだ。何かと、思っちゃった」
いくら、どんな用事なの? と聞いても要は答えてくれなかったので、3人はその場に行くまで違う話題をしながらそこへ向った。
着いたその場所は、学校の近くの公園だった。
その公園は、人工的な深い森があった。
公園を覗くと、その森の奥のほうに黄色のテープが見えた。
そこに向ってズカズカと歩いていく要の後を、訝しげに3人はついて行った。
テープの前まで来ると、あかねはそのテープの文字を何気なく読んだ。
「……KEEP OUT……」
自分で読んだ直後に、自分の口から放ったその言葉に驚いて目を丸くした。
その間に要はズカズカとテープの内に入り込んでいた。
「あっあっ、アンタ、ここダメよ!! 入ったらダメだって! 要!」
「知ってるよ。それぐらい」
しれっと言ってのける要を、あかねはさらに急かす。
「知ってるんだったら早くこっちに来なさいよ!」
由希もあかねの意見に賛成して何度も頷いた。
秋葉は訳が分からずに首を傾げる。
「あかね、何でダメなんだよ?」
「ここは、警察が来るほどの事件があった場所なのよ!」
「そうなのか? 要、それはやめといた方が良いって、お前いちおう犯罪者だろ」
「そうよ!」
「ハッキングがバレるようなヘマは致しません! しかも、今関係ないし!」
要は突っ込みを入れると、突然由希が「要ちゃん!」と叫んだ。
そして、ある場所を指差す。
由希のその表情は強張り、指した指先は微かに震えている。
そんな由希を、あかねは心配そうに、あるいは怪訝そうに見つめた。
その場所を見ると、大量の血痕が地面に付着し、白いチョークで人がうずくまっているような形の線が描かれていた。
要はその血痕の前にしゃがみ込むと、くやしそうにこぼした。
「……やっぱり」
「やっぱり? やっぱりってどういうことなの要?」
あかねが強い口調で問う。
「……歩きながら話すよ」
「おはよ」
要は短くあいさつをすると、一緒に歩いていた秋葉とあかねに合流した。
「おす! どうしたんだ? あかねだけじゃなく、要までこんな朝早く。あかねに聞いてもブス~としてるだけでよ。ま、低血圧だからしゃーねーけどな」
「まったくよ!「おはよ」じゃないわよ! こんな朝早くから起こして「今から学校行こう」ってどういう事?」
あかねは不機嫌に言って、一人で前に出て歩き出した。
「何だそれ?」
「あははは、秋葉は部活だから、電話しなくても会えるなぁと思って、しなかったんだぁ」
「そうなんか」
「そうなんよ。ちょっと、よって行きたい場所があるんだよ。良い?」
「良いけど、由希は呼んだのか?」
「うん。呼んだ」
数メートル進むと、家のカドに由希が立っていた。
由希は指を合わせてモジモジさせながら、あいさつをする。
「おはよう」
すると、すぐに友人の異変に気づいた。
「どうしたの? 要ちゃん、何となく、元気ない。……あかねちゃんは、すごい、ブス~って、してるね。……怒ってる?」
「あったりまえよぉ!! 何か、要が行きたい所あるからって、起こされちゃってさっ!」
「あ、それで電話あったんだ。何かと、思っちゃった」
いくら、どんな用事なの? と聞いても要は答えてくれなかったので、3人はその場に行くまで違う話題をしながらそこへ向った。
着いたその場所は、学校の近くの公園だった。
その公園は、人工的な深い森があった。
公園を覗くと、その森の奥のほうに黄色のテープが見えた。
そこに向ってズカズカと歩いていく要の後を、訝しげに3人はついて行った。
テープの前まで来ると、あかねはそのテープの文字を何気なく読んだ。
「……KEEP OUT……」
自分で読んだ直後に、自分の口から放ったその言葉に驚いて目を丸くした。
その間に要はズカズカとテープの内に入り込んでいた。
「あっあっ、アンタ、ここダメよ!! 入ったらダメだって! 要!」
「知ってるよ。それぐらい」
しれっと言ってのける要を、あかねはさらに急かす。
「知ってるんだったら早くこっちに来なさいよ!」
由希もあかねの意見に賛成して何度も頷いた。
秋葉は訳が分からずに首を傾げる。
「あかね、何でダメなんだよ?」
「ここは、警察が来るほどの事件があった場所なのよ!」
「そうなのか? 要、それはやめといた方が良いって、お前いちおう犯罪者だろ」
「そうよ!」
「ハッキングがバレるようなヘマは致しません! しかも、今関係ないし!」
要は突っ込みを入れると、突然由希が「要ちゃん!」と叫んだ。
そして、ある場所を指差す。
由希のその表情は強張り、指した指先は微かに震えている。
そんな由希を、あかねは心配そうに、あるいは怪訝そうに見つめた。
その場所を見ると、大量の血痕が地面に付着し、白いチョークで人がうずくまっているような形の線が描かれていた。
要はその血痕の前にしゃがみ込むと、くやしそうにこぼした。
「……やっぱり」
「やっぱり? やっぱりってどういうことなの要?」
あかねが強い口調で問う。
「……歩きながら話すよ」