ドッペルゲンガー ~怪事件捜査倶楽部~。
『え?』
「日吉よ、日吉! あのカンシャクもちっぽい、ヒステリーな日吉淳子だったのよ。まあ、多分、学校に行ったら、ホームルームで知らせを受けると思うけどね」
言い終わると同時に学校の門を潜った。
そのまま4人は部室に入るまで無言のままだった。
部室に着いた途端、誰ともなく口を開き一斉に要に向って激しく捲くし立てる。
「ちょっとさっきの本当なの!?」
「どういうことだよ!?」
「犯人は誰!? 目撃者は!?」
「……皆さん落ち着いて~」
要は両手を前に出し、苦笑しながら3人をなだめた。
落ち着いたのを確認すると、要は咳払いをして答え始める。
「まず、犯人は分かりません。ホームレスが『走り去っていく誰か』を見たらしいけど、暗くて男か女かも分からなかったって。だけど日吉先輩が殺されたのは本当。間違いではないと思う。証拠の品は、現段階で濃厚なのは、由希が持ってる血だらけの物体、かな」
「――あの赤黒いのって、血なの!?」
あかねは驚愕して思わず、一歩踏み出した。
「うん。多分そうだと思うよ。あんなに物体が血に染まるなんて、かなりの大怪我じゃないとありえないよ」
「……なるほど」
呟いたのは秋葉で、あかねに静かに訊ねる。
「なあ、あかね、何か気づいた事あるんだろ? どんな事だ?」
「あ、うん……」
あかねはと少し言いよどんで「あのね」と切り出した。
「実は呉野先輩が去った時から気づいてたんだけど、呉野先輩「高村と皆元と三枝は三人で良くつるんでた」って言っていたじゃない? なのに何で、三枝先輩に「高村先輩を知っていますか?」って聞いた時、「あの事故にあった子ね」ってまるで知り合いじゃないみたいに答えたのかしら?」
そう3人に向って尋ねると、秋葉は数回軽く頷いたあとあかねを軽く責める。
「……怪しいじゃねえか! 何で早く言わないんだよ! あかね!」
「そう言われるから、言いたくなかったのよ。特に秋葉には!」
「何だと!?」
「あの人は、体面を気にする人だから、きっと他人みたく答えたかったのよ! きっとそうよ!」
「そう思いながらも、あかねちゃんは私達に言った、ってことは、あかねちゃんも、少しずつ三枝先輩を疑って来ているんじゃ……?」
由希が遠慮がちに言うと、あかねは確信をつかれたとばかりに下唇を噛んだ。
「だけど、まだ私は信じているわ! だからこそ、先輩のかかった疑いを晴らしたいのよ!」
「なるほどね」
要が意味深に呟いた。
「日吉よ、日吉! あのカンシャクもちっぽい、ヒステリーな日吉淳子だったのよ。まあ、多分、学校に行ったら、ホームルームで知らせを受けると思うけどね」
言い終わると同時に学校の門を潜った。
そのまま4人は部室に入るまで無言のままだった。
部室に着いた途端、誰ともなく口を開き一斉に要に向って激しく捲くし立てる。
「ちょっとさっきの本当なの!?」
「どういうことだよ!?」
「犯人は誰!? 目撃者は!?」
「……皆さん落ち着いて~」
要は両手を前に出し、苦笑しながら3人をなだめた。
落ち着いたのを確認すると、要は咳払いをして答え始める。
「まず、犯人は分かりません。ホームレスが『走り去っていく誰か』を見たらしいけど、暗くて男か女かも分からなかったって。だけど日吉先輩が殺されたのは本当。間違いではないと思う。証拠の品は、現段階で濃厚なのは、由希が持ってる血だらけの物体、かな」
「――あの赤黒いのって、血なの!?」
あかねは驚愕して思わず、一歩踏み出した。
「うん。多分そうだと思うよ。あんなに物体が血に染まるなんて、かなりの大怪我じゃないとありえないよ」
「……なるほど」
呟いたのは秋葉で、あかねに静かに訊ねる。
「なあ、あかね、何か気づいた事あるんだろ? どんな事だ?」
「あ、うん……」
あかねはと少し言いよどんで「あのね」と切り出した。
「実は呉野先輩が去った時から気づいてたんだけど、呉野先輩「高村と皆元と三枝は三人で良くつるんでた」って言っていたじゃない? なのに何で、三枝先輩に「高村先輩を知っていますか?」って聞いた時、「あの事故にあった子ね」ってまるで知り合いじゃないみたいに答えたのかしら?」
そう3人に向って尋ねると、秋葉は数回軽く頷いたあとあかねを軽く責める。
「……怪しいじゃねえか! 何で早く言わないんだよ! あかね!」
「そう言われるから、言いたくなかったのよ。特に秋葉には!」
「何だと!?」
「あの人は、体面を気にする人だから、きっと他人みたく答えたかったのよ! きっとそうよ!」
「そう思いながらも、あかねちゃんは私達に言った、ってことは、あかねちゃんも、少しずつ三枝先輩を疑って来ているんじゃ……?」
由希が遠慮がちに言うと、あかねは確信をつかれたとばかりに下唇を噛んだ。
「だけど、まだ私は信じているわ! だからこそ、先輩のかかった疑いを晴らしたいのよ!」
「なるほどね」
要が意味深に呟いた。