ドッペルゲンガー ~怪事件捜査倶楽部~。
「うわっ……暗い」

「何だよ、言いだしっぺの要がびびってんのか?」

「びびってるわけないじゃん!スクープなんだからね!」

「……ねえ、電気つけたら?」

「わお!ナイス!あかねちゃん!」

そうおどけながら要がスイッチを手探りで探し出した。

「っていうか最初に捜すでしょ、普通」

「つうか、行くんだったら懐中電灯とかそれなりの準備してこいっての」

「……それなりの準備もする暇もなくきたでしょうが」

「だよな。誰かさんの一言で」

「何よ。また私のせいにする」

あかねが言いかけた時

「あったあ~!!」

という掛け声と共に電気がついた。

「まぶし!……由希?」

あかねの目の前に飛び込んできたのは、一つの鏡の前でボーと立っている由希の姿だった。

「ボーとしちゃってどうしたの?」

「え!?」

あかねに声をかけられて気がついたのか、びくっと肩を震わせて由希は驚いた。

「な、何でもないよ!」

「?」

「おい!これって例の鏡じゃねえか?」

「え!?」

秋葉の声に慌てて要とあかねも由希の前の鏡にやってきて、要が ガシ っと鏡を掴んだ。

その鏡は三面鏡になっていて、全部の鏡が開いた状態になっていた。

「……確かにそうかも!!由希、お手柄よ!!」

要が由希の肩に手を ぽん と乗せて笑うのと対照的に、あかねは鼻を摘んで顔を顰めた。

要が鏡を掴んだせいで埃がボワボワと舞う。

「何これ、きたな~い! しかも埃すごいじゃない!!」

「何言ってんのよ!この古さが良いんじゃない!!」

「でも、先輩も試したんだろ?もう少し埃が落ちてても良いんじゃねえの?」

「それもそうね……あかね、何でだと思う?」

「そんなの知らないわよ」

「あの……あの……あれ……」

由希が布の被っている物を指差した。

それは明らかに他の備品より埃の被っている量が少なかった。

由希の指の先にある布を秋葉がめくりに行く。

「お、おい!これ!」








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