ドッペルゲンガー ~怪事件捜査倶楽部~。
4人は生まれて初めて事情聴取を受けた。

呉野幼子が落ちたトラックはクリーニング屋のもので、中にはたくさんの布団や衣類があり、それらがクッションとなり、呉野は幸い命を取り留めた。しかし、いまだに手術の最中で、予断は許されない。

「あのビルって廃ビルで、一週間後に取り壊される予定なんだ、って刑事さん言ってたわね。聞いた?」

「ああ、らしいな」

あかねが警察署内の自販機で紅茶を買いながら言うと、秋葉が隣の椅子に腰掛けながら答えた。
その横には要と由希もいる。
ため息をつきながら、あかねは秋葉の横に腰を下ろした。

「……」

しばらく重い沈黙が続く。すると「ねえ」と小さく声がした。その声は、あかねのものだった。

「死ななくて良かったね。呉野先輩。危ない状態だけど、今は生きてる」

安堵の表情を浮かべ、微笑むと秋葉も微笑み、大きく息を吸った。

「そうだな」

続いて由希も「うん!」と言って笑う。

「まぁ、そうね。死なれたら目覚め悪いしねぇ♪」

要はそう茶化しながら笑うが、それが終わるとホッとした表情を浮かべた。
その後、真剣な顔で3人に問いかける。

「ねえ、呉野先輩が犯人だと思う? それとも思わない?」

この問いに最初に答えたのは、あかねだった。

「私は……分からないわ。でも、怪しいのは事実だと思うの。何かの鍵を握っている気がする」
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