ドッペルゲンガー ~怪事件捜査倶楽部~。
「どうしたの秋葉?」

あかねが駆け寄ると

「ちょっとこれ、鏡じゃない!」

「うっそォ~!?」

あかねの言葉に驚いて要も駆け寄る。

「うっわ!本当だ、鏡だ。ってことはこの埃の量からして、高村先輩はこっちの鏡を使ったって事かね?」

「でも、合わせ鏡じゃなきゃダメなんでしょ?向こうの鏡は三面鏡みたいだし、あれを合わせ鏡になるように合わせて使ったんじゃないの?」

「あっ!後ろ見て!距離はちょっと遠いけど、ちゃんと合わさってる!ってことは、やっぱり高村先輩はこの二つの鏡を使ったのよ!」

「……マジで?」

秋葉が不信そうに要の顔を覗き込むと、要はキラキラと輝いた瞳で声を荒立てる。

「そうよ!マジそうよ!絶対そうよ!!」

「ああ、ハイハイ。そんな興奮しないで、要。私も要の意見にはちょっと賛成」

『ちょっと?』

要と秋葉の声が合わさる。

「ええ、合わせ鏡はこの二つで良いと思う。でも、要は試す気なんでしょ?」

「もちろん!後五分くらいで4時だし!!」

「私はそれには反対よ」

「ええ!?なんでぇ!?」

要が不意うちを食らったと言わんばかりに驚いた。

「……つまりあかね、お前は怖気づいたってわけだ?」

挑発するようにぽつりと秋葉が呟いた。

「な!?別に怖気づいたわけじゃないわよ!……ただ高村先輩のことがもし本当なのだとしたら、大変なことになるのよ!?そんなのどう考えたって割に合わないじゃない!若気の至りじゃ済まされない事になりうるのよ?」

「やっぱり怖気づいたんじゃねえか」

図星をつかれ、あかねは開き直った。

「っええ!!そうよ!!そうなるわ!!でもね、私は秋葉みたいに短絡的な行動はしないの。ちゃんと考えて行動するのよ!」

「お前、俺のことバカにしてんだろ?」

「……してないわ」

「今の間は何だ!?」

「してないって言ってるじゃない!」

「お前なぁ、たまには短絡的に行動する事だって大切だぞ。いっつも頭固いんだから」

「何ですって!?今何て言った!?頭が固い?!アンタ私が嫌いな言葉しってんでしょ!?」

「「頭固い」だろ?でもマジじゃんか」

「アンタまた言ったわね!?良いわよ!!やったるわよ!!呪いだろうがなんだろうがかかってきなさいよ!!」

「……単純」



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