太陽の竜と闇の青年
その様子をみて、王は思った。


とても凛々しいがどこか気品のある美しさのある顔は誰もが羨む。

しかも、ルウは誰とでも仲良くできて喧嘩などしない性格だ。

ここにきてから一度も喧嘩をしたルウの姿をみたことがない。

もちろんルウが誰とも喧嘩しない理由はたくさんある。

主にルウは笑顔であまり気むずかしい顔や困った顔、泣きそうな顔はしない。

だから、みんなも気安く接すことができるのだろう。

欠点といえば少し男性らしいところがあることだ。

特に剣術が得意でかなりの人たちを相手にして戦っている姿をよく見かける。

それに、男性の服をよく着るということも欠点の一つだ。

いや……、欠点ではなく悩み事かもな……。

それにルウは細い。

だからたまにバカにされてしまうことがある。

裕福な家に住んでいるものはもう少し太らなくてはいけないのだが……。

ルウはあまり食べ物を食べてくれないからな……。

おそらく、昔の癖のようなものなのだろう。

だから今回の碧国からの許嫁のことについては正直うれしく思った。

ルウは少し敵対されているところがあるらしい。

命を狙われるのもフウよりもルウのほうが多かった。

ルウとフウの命が狙われるのには、かなりの心あたりがあった。

考え込むルウの髪をみた。その髪は白銀で、光にあたりキラキラと輝いている。

どの国でも白銀の髪色は珍しく、売れば何億個もの金が貰うことができ、王族よりも金持ちになれる可能性がある。

だからこそ、武術には強く政治にもしっかりとしている最も安心できる碧国に預けるほうがいいと考えた。

しかし、ルウはかなり反対らしい。

何よりも、まだルウは結婚のできる歳ではない。

フウは、安国の姫が髪色も気に入ってくれたためなんとなくは安心できるが……。

まぁ、昨日アレを言ってしまった限り安国には後でお詫びを申し上げに行かねばな……。

フウはやると決めたことは完璧にやりこなす子だからな。


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