太陽の竜と闇の青年
「ねぇ、フウ。どうしよ……。お金がきちんと入れれないよ……」


困った顔をしているものの、旅が楽しみでしょうがない、という笑顔をみて、僕は笑いながら衣装棚から小さなバックを取り出してルウに投げた。


ルウはそれを受け取る。


「これ、何?」


首を傾げてバックをみているルウの隣に行って僕は説明した。


「これは、どの帯にもつけれる便利なバック。この前、父さんが西洋から買ってきたものだって言って僕にくれたんだよ。ホラ、つけてみな」


ルウは言う通りに、腰の帯にバックをつける。


「あれ?右側につけるのー?」


僕は不思議に思いながら聞いた。


「うん。私の短剣、双剣だから左側の取りやすいほうにつけておくの」


ふぅん、と相づちを打ちながら僕はルウの利き手について思い出した。


ルウは両手利きで、左手を使うときもあれば、右手を使う時もあった。


僕は左利きだけど、左利きも珍しいって言われる。


だとしたら両利きのルウはかなり珍しいんだろうなぁ。


「ねぇ!フウ!ターバンが上手く巻けないんだけど」


僕は、ルウを笑いながらみた。


「何してんのー?ルウの場合髪をくくらなきゃ巻けないに決まってるじゃん」


すると、ルウは赤色の髪ゴムと取り出した。


「あ、それ……」


僕がそのゴムを指さすと、ルウはうれしそうに言った。


「うん。これ、母からのプレゼンと二つ目」


ルウは、ブレスレットの他にも髪ゴムを貰っていた。


だからあんなにも上機嫌なんだな。


ルウが髪を団子くくりというものにすると、


「その髪型だったら僕のお姉さんって感じするねー」


と、心のそこからそう思った。


すると、ルウが苦笑いしながら言った。


「いつもはどんな感じなの?」


「僕のほうがお兄ちゃんって感じー」


僕は、即答した。


それを聞いたルウは微笑しながら言った。


「まぁ、ねぇ。そう思ってしまうのも無理はないよね」

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