太陽の竜と闇の青年
「で?次はどこに行くのー?」


僕はルウの頭にあった無意味になっているターバンをのけた。


「ん?えっと、安国」


ニコッと笑うルウの顔と対照的に、僕の顔は歪みにも歪みまくった。


ターバンをのけていた手も止まる。


「もう一回言ってもらってもいい?」


僕は震える手を必死でおさえながらルウをみた。


ルウは首を傾げながら同じ言葉を繰り返す。


「安国」


……最悪……。
「ルウ、僕その旅にはついて行かないよ。存分に楽しんでおいでー」


ルウの頭からとったターバンをヒラヒラとさせながら僕はドサッと布団に倒れ込んだ。


「え!?何で??」


ルウが寝そべった僕の隣にちょこんと座って、僕の袖を引っ張った。


僕は手をひらひらとさせた。


「いやね、安国って聞いただけで気持ちが悪くなっちゃうよー」


何を思ったのか、ルウはポンッと手を打った。


それから、僕の顔をのぞき込んだ。


「元許嫁のこと?あ、また許嫁になったんだっけ?」


……しってんじゃんか。


何か吐き気がしてきた。


僕は安国ときいただけで吐きそうになる。


特に安国の王女がアイツってことが気持ち悪い。


アイツのせいで、僕の心には深い致命傷ができた。
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