太陽の竜と闇の青年
すると、いつからいたのか、後ろに立っていたラカが口を開いた。


「若様、姫様。わたくしたちもついて行くことになりました」


僕はニッコリと笑って訪ねた。


「たちもってことは、サクラも行くんだねー?」


ラカはいつもの笑いかたをしながら言った。


「えぇ。ただ、今は胃痙攣が治まらないらしく寝台で唸っております」


すると、ルウが笑いながらやっぱりぃ、と笑った。


「さすがに父親の首に剣を向けたのはまずかったかな?」


自問自答するルウの隣に座って僕は言った。


「まぁ、後でサクラに謝れば許してくれるでしょ。サクラはそんなことでは怒らない女性だからねー」


後ろで激しく頭をブンブンを縦に振っているラカの姿が見えた。


バレバレなんだよ。


だから、ちょっと意地悪く、ラカのほうを振り返って言った。


「ねぇ?ラカ」


すると、ラカは慌てて咳払いを一つして言った。


「えぇ。若様の言う通りですよ。サクラさんは長年姫様の隣に仕えてきたものなんですから。それぐらいで怒ったりはしませんよ」


すると、ルウはさっきよりも笑って急いで荷物づくりに励んだ。

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