太陽の竜と闇の青年
太陽の竜~朱雀編~
「おぉ~~!さすが蒼国。活気があっていいねぇ」
サクラは私の言葉にうんうんとうなずいてくれた。
「そうですね。姫様。やっぱり、風国とはかなり違いますね」
フウが笑いながら言ってくる。
「だけどさー、ちょっと家が華やかすぎないかな?」
その言葉にラカがフウの頭をポンポンと叩きながら言った。
「若様。この前言ったでしょう?蒼国と風国はかなり違った構造建築法をするのですと」
思い出したようにフウが、あぁ……、と呟いた。
「確か蒼国は西洋の構造を真似していて、風国では和国を真似しているんだったっけー?」
満足そうにラカがうなずいた。
「そうです。ですが、やはり蒼国も風国も服装は似たようなものなんですね」
あたりを見回しながら私もサクラもフウもラカの言葉にうなずいた。
だけど……。
私は少し違ったところをみつけた。
「でも、風国とは違って皆、髪の色が似たり寄ったりだよね?」
するとフウが少しだけ驚いた顔をして言った。
「本当だ。よく気づいたねー。確かに皆髪の色が似ている。僕たちの国はいろんな色があるのにねー」
そう。
蒼国はほとんどの髪の色が黒だった。
しかし、風国は蒼国とは真逆に灰色もいれば、金髪、濃い緑色の髪をした人たちがたくさんいる。
「あぁ。これはですね、風国はたくさんの観光客を招き入れて国の住人を増やそうとしているのです。ですが、蒼国はもう人が多いため商人だけを国の中に入れるのです。だから、髪の色も統一されているのでしょう」
サクラが黒髪の人たちを一人一人指をさしながら言った。
「だから、私たちも布商人として来たの?」
この質問にはラカが答えてくれた。
「えぇ。観光客として入れば、当然のことですが、見張りがついてしまいます。見張りがいれば王の顔もみるにみれないでしょう?商人として入れば自由気ままに商品を売らしてくれますから、見張りがつかないんですよ」
へぇ~……、と思いながらあたりを見回した時、後ろから声がした。
「おいおい、冗談じゃねぇぞ!」
振り返ってみると、困った顔をした中年のおじさんが呆然と商品をみながら叫んでいた。
私たちはその商人のところに急いで駆け寄った。