太陽の竜と闇の青年
「どうしたんですか?」


商人は私たちに気づいて額をペシッと軽く叩いて言った。


「それがよ……。俺の持ってきた商品袋に穴が開いてしまってよぉ……。これじゃぁ、商品がこぼれちまうんだよなぁ……」


私は、おじさんの持っていた商品袋をみた。


確かに破れている……。


でも、これならすぐに直せる。


私は懐からいつも持ち歩いている裁縫道具を取り出し、布に触れながら言った。


「これならすぐに縫えますよ。おじさんがよければ縫いますけど、どうします?」


すると、おじさんがうれしそうな顔をして言った。


「もちろん頼むよ!へぇ、坊ちゃん、男の子なのに裁縫ができるんだなぁ。珍しいものを見たよ!」


私、女なんだけどなぁ……。


フウもラカもサクラも笑っている。


「え、えぇ。まぁ、器用ですから。さ、出来ましたよ。これで大丈夫です。ところで……」


私は首を傾げながらおじさんに聞いた。


「この中って翡翠が入ってます?」


するとおじさんは驚いた顔をして言った。


「へぇ!坊ちゃん、この中身が翡翠だってわかるのか!これはスゴイな。驚きだ」


フウも隣に来て言った。


「僕も驚いたよ。ルウ、どうやってわかったのー?」


私は、だって、と言って説明した。


「袋を縫っているときに球の形をしたものが入ってるって思ったんだ。この辺でとれる球のも
のといえばさ、脂玉と翡翠しかないと思うし……。それに破けたところから、緑色のものが見えたんだ。脂玉は透明の色をしているし……。そう考えればあとは翡翠しかないでしょ?だからちょっとだけおじさんにカマかけてみたんだよね。そしたらドンピシャだった!おじさん、ごめんね?カマかけちゃって」


おじさんに怒られるかと思ったけど、逆におじさんはよろこんで笑った。

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