太陽の竜と闇の青年
「ねぇねぇ、どこの宿にするの?」


私がフウを向いて聞くと、フウは少し笑って言った。


「とりあえず、質素だけど住みやすいところにしなくちゃねー。ところで……」


フウがこちらを向いて言った。


「ルウに頼みたいことがあるんだけど。いいかなー?」


私は、首を傾げていった。


「いいけど……。何?どんなおつかい?」


ラカが懐から紙を取り出して言った。


「ここに書いてあるものを買ってきてほしいのです。ここからまっすぐに行けば商店街に入るので、姫様も迷わないと思うんですが……いいでしょうか?」


私はニッコリと笑って言った。


「もちろん!大丈夫だよ!」


それからサクラにお金をもらった。


「くれぐれも、問題を起こさないようにねー。あと、問題の渦に入らないでね。ルウはいっつも問題起こしちゃうからさー」


私は、ルウをみてニヤリと笑った。


「無事に戻ってこれたらフウ、腹踊りしてね」


すると、フウもニヤリと笑って言った。


「いいよー。僕、負けない勝負は買わない人だからね」


私は、じゃぁね!と手を振って商店街まで走った。


後ろで「絶対に問題起こしてくるよね」と言うフウの言葉に二人がうなずいているのにも気づかずに。


「えっと……。和紙五枚と茶の葉、それから薬草かぁ。結構行くとこあるなぁ。ま、いいや」


私は商店街に入った。


「うっわぁ。すっごい人がいっぱいいる!お金、盗まれないようにしなきゃ」


私は手に持っていたお金を誰にも見られないようにフウからもらったポケットに入れた。


「えっと……。まず、和紙から行こう」


のんびりと歩いて和紙屋を見つけた時、鋭い視線に気がついた。思わず手が双剣に向かったのはいつもの癖だ。


私は、ゆっくりと歩きながら周囲を見渡した。


なるほど……。


さっきの鋭い視線は巡回の人たちの目か。


私は和紙屋に入ってピンク色の和紙を二枚と白の和紙を三枚買った。


そして茶屋に向かう途中、問題の渦に入ってしまうこととなった。


でも、あれは仕方なかったと思うんだよなぁ……。
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