太陽の竜と闇の青年
「おい!コラァ!ふざけんじゃねぇぞテメェ!!」


商店街に大きな声が響いた。


私は声のしたほうをゆっくりと顔を動かして見た。


そこには大きな男が二人、取っ組み合いをしているところだった。


「あぁ!?テメェがふざけんじゃねぇぞ!!」


髭の生えた男が顔に傷がある男を投げ飛ばした。


ガチャーンという大きな音をたてて男は食器店の中に吹っ飛んだ。


これじゃあ、店も壊れてしまうし、何より、罪のない人たちに大けがを負わせてしまう。


私はあたりをチラッと見回した。


巡回の人たちはビビっているのか動かない。


「何かおかしいんだよね……」


私はまだ争っている二人をよく見た。


……盗みを働いたヤツか?


それに、二人はグルか?


よくよく観察していると、二人の服は同じ刺繍をしているのに気がついた。


そして、腰帯が金の繊維のものだった。


何らかの組織にでも入っているグルだ。


それにあの二人が高級な金の繊維の手ぬぐいを持っているはずがない。


そのとき、二人は剣を引き抜いた。


キャーという奇声が聞こえる。


そして、二人がドタドタと間合いをつめていく。


私は双剣を抜き、二人の間合いに割り込んだ。


キィンという聞き慣れた音がする。


巡回の人たちが驚いた顔をしたのが見えた。


「おい!こらぁ!このガキ!俺たちの喧嘩に割り込んでくるんじゃねぇよ!!」


「そうだ!!俺らは今決着をつけようとしているんだ!」


私は二人の顔をニコリと笑いながら見つめた。


「ふぅん。そうなんだぁ。盗人同士が喧嘩ねぇ」

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