太陽の竜と闇の青年
私の言った言葉に二人の眉が上にピクリとあがった。


「な、何だと?」


私は、息をすぅと吸って言った。


「貴様等、喧嘩するならこんな商店街じゃなくて、草原にでも出てやれ!!罪のない人たちを巻き込むな!!」


ギリギリと剣のすれ違う音がする。


だんだんと男二人の力が強くなってきた。


「てめぇ、言わせておけば、いけしゃーしゃーと!!ふざけんじゃねぇぞ!」


「俺らの計画が台無しになるじゃねぇか!!」


私は、二人を見据えて言った。


「親玉はどこだ?」


二人はニヤリと笑って言った。


「さぁな。今頃、翡翠でも盗んで金持ちになってるんじゃねぇかぁ?」


そのとき、馬の蹄の音がした。


「残念ながら、親玉は先ほど俺が捕まえてしまったんだよなぁ。おまえ等は残党か」


突然聞こえた声に驚きながらも笑いながら後ろを振り向いた。


「ここで騒ぎを起こし、みんなの集中を翡翠の店から離して、その隙に翡翠を盗む作戦だったんだろう。分かりやすい計画だな」


そこには黒髪の男がいた。


ラカよりも整った顔をしていて、誰もが見惚れるような男だ。


ただ……、私は少し苦手かもしれないけど。


「チッ!ふざけんなぁ!!俺たちの計画は完璧だったんだよ!!……そうか、このガキが邪魔したのか」


私のほうに恨むような目が向いた。


……あ……。


ヤバイかも……。


私は、苦笑しながらどうしようかと考えていた。


みぞおちを蹴ったらいいんだけど……。


ちょっと、今激しい動きをしたらターバンが取れそうだ。


だけど、仕方ないか……。

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