太陽の竜と闇の青年

そして満月の日の夜、皆が私の部屋に集まった。


「ってことで今からココから脱出いたします!」


私がビシッと指を突き出すと、皆が楽しそうに笑った。


ちなみにサクラとラカにはもう外に行ってもらっている。


「やったー!!やっとココから出られるんだねー」


フウがすっごく嬉しそうに言った。


よっぽどシャナが嫌いだったらしい……。


私が笑っているとフッとフウの目が私の目をみた。


「ルウさ、ソレ隠したほうがいいんじゃないのー?」


フウが指さしたのは私の刺青だった。


「あ、そっか。どうしよっか……」


私が少し悩んでいると、フウが自分のターバンをとって、自分の顔と頭をグルグルと巻き始めた。


「こうすればいいんじゃない?」


フウが手をパッと離すと、フウの顔はきれいに目だけしか出ていなくて、他はすべてターバンの中に隠されていた。


もちろん、髪も。


私はフウのをお手本にして、少しは時間がかかったもののきれいに巻くことができた。


「おぉぉ!!男子にしか見えない!!!!」


フウがあっはっはっは!!と高笑いをして言ってきた。


私はキッとフウを睨んで言った。


「別にいいもんねー。そんなことはどうでもいいからさ、早くでるよ!」


私は傍に置いてあった杖を手に取り窓をあけた。


夜風が涼しくて夏の匂いがした。


いつもはそれを楽しむところだけど、今はそんなにトロトロしている暇はない。


「私から降りるからね☆」


私は皆に笑ってから窓から飛び降りた。


降りる時、体勢を崩さないように神経を集中させた。


それに目が見えないからどこが地面なのか分からない。


フッと目の前が少しだけ黒くなった。


私は片手を地面についた。


スタンッという軽い音がした。


立ち上がったとき、パチパチと拍手の音が聞こえた。


「お見事です。さすが姫様ですね」


隣をみると、サクラとラカが笑って拍手をしてくれていた。


まぁ、サクラは胃を押さえてだけど……。
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