太陽の竜と闇の青年
「ふひゃぁー。疲れたぁー」
夜通し走ってようやく野宿ができる場所を見つけた。
私たちは早速テントを張り、今はだらだらと転がってすごしている。
さすがに夜通しはきつかったのか、クラウドはウトウトしていた。
「そーいえばさ、次はどこの国なんだろー?」
フウが首をコキコキと言わせながら言った。
フウは壱に聞いたけど、壱は興味がないのかあくびをした。
「白虎に聞いてみる?」
私が白の翡翠を見せるとフウはうなずいた。
「白虎に聞いたほうが早いしねー」
私は軽くうなずいて白の翡翠をスッと触った。
その瞬間、白のまばゆい光があたりを照らした。
それと同時になにか重いものがのっかって私は仰向けに倒れた。
目をうっすらと開けると目の前に白虎の顔があった。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
私が大きく叫ぶのと白虎がバッと後ろに飛び退くのが同時だった。
そーいえば前にもこーゆーことあったなぁ……。
白虎も同じ思いをしたのか、後頭部をガリガリとかいた。
「白虎!!何してるんだ!?」
「白虎、どういう出方をしてるんだ!」
白虎はフウと壱の言葉を無視して私をみた。
「すみません、我が主。どうも俺は外にでるのが上手くないようです」
「あー全然いいよいいよー」
私はアハハハ、と笑った。
「ところで次の国ってどこだっけ?」
フウがズイッと私と白虎の間に割り込んで聞いた。
白虎は少し悩んでからおもむろに口を開けた。
「砂漠の国ですね」
砂漠の国……。
サバクノクニ……。
さばくのくに……。
「「砂漠の国!?」」
私とフウの声が重なった。
壱と白虎が眉をひそめてこちらをみた。
「どうかされましたか?」
白虎が私の前にひざまづいてたずねてきた。
私はポリポリと頬をかいた。
「いやぁ……。私たち暑いの大嫌いだからさぁ、砂漠の国とか行ったことないんだよね……。だから、どんなとこなのかなぁ?って思ってさ」