太陽の竜と闇の青年
[壱]
突然消えたルウ。
その気配に気づかなかった自分にいらだちを覚える。
「どこに行ったんだ……」
俺はチッと舌打ちをして砂を蹴った。
あたりを見渡しても砂、砂、砂。
どうやって奴らは俺らに見つからずにこの砂漠から逃げたのだろう……。
ふつうなら気づく気配をどうやって隠したのだろうか。
そして、どこに行ったのだろうか……?
「集落に行けば分かるかもしれないな」
隣にいた白虎も眉をしかめていたから苛立ちを感じれた。
「集落か……」
俺が顎をさすると、白虎はうなずいた。
「あぁ。この砂漠の国には1つしか集落がない。手がかりがない今、その集落に行くしかないだろう」
ふぅ、と短くため息をつくと、白虎は首をコキコキとならした。
「まさか、翡翠まで放っていくとはな……」
白虎は地面に落ちていた自分たちの翡翠を拾った。
「はずしたのはルウではないようだがな」
俺がつけたすと、白虎は渋面を浮かべてうなずいた。
「ただでさえ目が視えないというのに……。今頃不安で仕方がないだろうな……」
俺の言葉に白虎は大きくため息をついた。
「我が主を守ることが俺の指令だというのに……。俺は何もしていない……」
グッと白虎は手を握りしめた。
何もしていない……?
「それは違うんじゃないのか、白虎」
俺が目を眇めて白虎をみると、白虎は少しだけ目を見開いた。
「何だと……?」
「ルウは白虎に何回もなにかしてもらっている。その証拠に今白虎がここにいることでルウは何かをしてもらっていると思う。とにかくルウにとって必要なことは手助けとかじゃない。お前の存在自体がここにあることが必要なことなんだ」
白虎は何秒かは驚いていたが、すぐにうなずいてホワイトタイガーの動物の姿へと変わった。
キラキラと銀の毛並みが光で照らされた。
「壱の言う通りだな。我が主は上下関係のようなものは嫌うらしいしな」
人間の時よりも低い声が俺にむいた。
「あぁ。とにかく今はルウを探そう。ルウになにかあっては遅いからな」
俺は陽に飛び乗った。
突然消えたルウ。
その気配に気づかなかった自分にいらだちを覚える。
「どこに行ったんだ……」
俺はチッと舌打ちをして砂を蹴った。
あたりを見渡しても砂、砂、砂。
どうやって奴らは俺らに見つからずにこの砂漠から逃げたのだろう……。
ふつうなら気づく気配をどうやって隠したのだろうか。
そして、どこに行ったのだろうか……?
「集落に行けば分かるかもしれないな」
隣にいた白虎も眉をしかめていたから苛立ちを感じれた。
「集落か……」
俺が顎をさすると、白虎はうなずいた。
「あぁ。この砂漠の国には1つしか集落がない。手がかりがない今、その集落に行くしかないだろう」
ふぅ、と短くため息をつくと、白虎は首をコキコキとならした。
「まさか、翡翠まで放っていくとはな……」
白虎は地面に落ちていた自分たちの翡翠を拾った。
「はずしたのはルウではないようだがな」
俺がつけたすと、白虎は渋面を浮かべてうなずいた。
「ただでさえ目が視えないというのに……。今頃不安で仕方がないだろうな……」
俺の言葉に白虎は大きくため息をついた。
「我が主を守ることが俺の指令だというのに……。俺は何もしていない……」
グッと白虎は手を握りしめた。
何もしていない……?
「それは違うんじゃないのか、白虎」
俺が目を眇めて白虎をみると、白虎は少しだけ目を見開いた。
「何だと……?」
「ルウは白虎に何回もなにかしてもらっている。その証拠に今白虎がここにいることでルウは何かをしてもらっていると思う。とにかくルウにとって必要なことは手助けとかじゃない。お前の存在自体がここにあることが必要なことなんだ」
白虎は何秒かは驚いていたが、すぐにうなずいてホワイトタイガーの動物の姿へと変わった。
キラキラと銀の毛並みが光で照らされた。
「壱の言う通りだな。我が主は上下関係のようなものは嫌うらしいしな」
人間の時よりも低い声が俺にむいた。
「あぁ。とにかく今はルウを探そう。ルウになにかあっては遅いからな」
俺は陽に飛び乗った。