太陽の竜と闇の青年
ティファナは深く深くため息をついた。


「ティーは、娘の遺言も守れないダメな母親なのでしょうか……」


するとサクラがティファナの背中をさすった。


「そんなことありませんよ。ティファナ様は立派にシルバ様を見守っているではありませんか。でなければ、ここまでシルバ様のことを知らないでありましょう?」


サクラの言葉にティファナはフッと笑った。


「そうですね……。ありがとうございます。話を戻しましょう。シルバの目は死んでいます。もうヘルの言いなりにいうことしか考えていません。ですから、ティーの言うことも聞かないのです。きっと、シルバを止められるのはあなたたちしかいないと思うのです」


ティファナが近くにいたラカの手を両手で握った。

< 365 / 824 >

この作品をシェア

pagetop