太陽の竜と闇の青年
すると、一番初めに口を開いたのは、クラウドだった。


「……もしかしたら、ルウはもうシルバを説得しているかもしれない。僕にしてくれたみたいに」


ティファナが首を傾げた。


「それは、どういう意味ですか?」


クラウドは顔をあげると、俺をみた。


「ねぇ、僕はルウはシルバを放っておかないと思うんだ!だからさ、僕もルウと一緒にシルバを助けたい!ねぇ、壱も手伝ってよ!」


クラウドは俺にしがみついてきた。


俺は顔をしかめる。


シルバを助けることは、俺も少し反対だった。


だが……。


クラウドのいうことは確かだ。


絶対にルウがシルバを見捨てるわけがない。


俺が迷っていると、ティファナが口を開けた。


「そのルウっていうお方、とっても皆に信頼されているのですね」


その言葉に過剰に反応したのは俺も含むここにいる全員だった。


「そうなんだよ!ルウは僕を救ってくれたんだ!!僕はルウがいなかったらきっとココにいないと思うんだ。ずっとずっと部屋に籠もって術を練習して、父様や姉様の言いなりに従って、そうやってひっそりと暮らしていたと思う。だけど、ルウは僕にそんなのじゃダメだって言ってくれたんだ。背中を押してくれたんだ。だから僕はココまでこれた。そして、家族の大切さを知ったんだ!全部全部ルウのおかげなんだ!だから僕はルウに従うんだ」


クラウドは顔を真っ赤にしてティファナにルウのことをはなした。
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