太陽の竜と闇の青年
それをみていたサクラも笑いながら口を開いた。


「わたしもそうですよ。わたしは貧乏な家に育った上、出来のよい子ではありませんでした。何かに挑戦してもすぐに失敗してしまい、日頃から家族に嫌煙されておりました。そしてとうとう家を出されてしまったのです。ですが、姫様がわたくしを雇ってくれたのですよ。初めて会ったときは驚きました。だって、姫様は誰にも話しかけられなかったわたしに話しかけてくれたんですもの。普通に笑って「こんにちは」と。そして、自分が王族の娘だと教えてくださいました。初めは信用ならなかったのですが本当に王族の娘で驚きました。なによりも王族の娘なのに着飾らなくて、言葉使いも丁寧ではなく、フレンドリーでした。姫様はわたくしを侍従にしてくださいました。おてんばでなにをするかわからなくて、わたしの胃が破けそうなときもありますが、とってもいい子なんですよ。なにより、人に限らず、動物や植物、物など一つ一つの命を大切にしてくださいます」


サクラの過去を初めて聞いた。


やはりサクラもルウに助けられたんだな……。
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