太陽の竜と闇の青年
サクラを笑ってみていたラカも優しくティファナに話始めた。


「わたくしは元から王族の館に勤めておりました。ですがわたくしは浮かれる存在だったのです。わたくしは少しだけ王にヒイキされていましたからね。ですから、少々嫌煙されていました。もちろん、館で話す者などおりませんでした。ですが、姫様と若様が館に連れ込まれた時、わたくしは驚いてしまったのです。若様と姫様はとても力強い目をしていました。例え嫌煙されても嫌悪されてもそんなものなどに負けない目を。まだまだ14歳と幼い年頃なのにそんな目をしていたのです。わたくしの知っている14歳はもっと遊び盛りでやんちゃでした。ですが、若様と姫様はとってもしっかりしていました。まぁ、やんちゃといえばやんちゃでしたが……。ですからわたくしは興味本位でしたが若様と姫様の世話係をやらせてほしい、と言いました。もちろん王は許可をしてくれました。ですがそれが館の人々に火をつけたのでしょう。皆、わたくしが王に気に入られて調子に乗っているなどということを話始めたのです。そして、それを止めてくれたのが若様と姫様だったのです。二人は[ラカは立派な侍従だ。ラカが父上に気に入られているのはラカが頑張ったからだ。頑張ってもいないのに頑張っているラカの悪口をいうな!]と声を揃えて言ったのですよ。言った後、二人は同じことを言ったことに驚いて惚けた顔をしていましたねぇ。あの時の顔はたまらなく面白かったですよ」


昔からフウとルウはいい人だったんだ……。


俺がそのときの二人の顔を想像して笑ってしまったとき、ティファナの顔が俺に向けられた。


「そちらの方はルウという方はどういう方だと思うのですか?」


…………。
< 369 / 824 >

この作品をシェア

pagetop