太陽の竜と闇の青年
「当たり前じゃんか。絶対に嫌だね。ってか、僕って、一人で死にたい人だからさ」


すると、ラカがあわてたように言った。


「ちょ、そこまで悪くならないでくださいよ。姫様だっていますし。あ、そういえば……、姫様で思い出したんですが、若様のことを心配してらっしゃいましたよ」


心配というよりかは、疑問だと思うんだけどな……。


まぁ、どうでもいいや。


「ふーん。まぁ、双子だし。なんとなく分かるんじゃないかな?僕だって分かるから」


その言葉を聞いたラカが笑って言った。


「そうですよね。双子ですものね。すっごく仲がいいですよね。見ていて楽しくなります」


僕は、ラカの顔をのぞき込むように見て言った。


「その話はいいけどさ。僕、決めたことがあるんだよね」


ラカが嫌そうな顔をした。整った顔が崩れる。


「きっと、その若様の顔をサクラさんが見たら胃を押さえて倒れ込むでしょうね」


僕は、にへらぁと笑ってラカに言った。


「ふぅん。サクラが気になるの?」


すると、ラカはしまった!という顔をして言った。


「全然気になりませんけど」


僕は、ラカをじーっと見て言う。


「そぅ。じゃぁ、サクラにラカが君のことは苦手だって言ってたって言ってもいい?」


すると、ラカはかなり動揺した。


「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!!分かりましたよ。若様につきあいましょう。王のところに行くんですよね」


僕はにこっと天使のような笑みをラカに向けて言った。


「僕は物わかりのいい侍従をもってとてもうれしく思うな」


すると、ラカは分かりやすい作り笑いをしながら言った。
「そのお言葉、とても光栄に思いますよ」


僕は、王室に向かって歩きだした。


たぶん、母さんもいると思うし、ちょうどいい。


「若様、負けたりとか考えないんですか?」


ラカが僕を振り返って心配そうに言った。


僕は自信満々の笑顔で言った。


「僕、負ける勝負はしない人なんだよね。だから絶対に勝つよ」


ずっとずっとそうやって生きてきたんだ。


ルウと一緒に。


奴隷の時に。

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