扇情

廊下の角を曲がる瞬間、甘美な艶声が響く。

「葵。」

条件反射のように振り返ると、後ろに美樹ちゃんを従えた河合クン。

研修医の前で何名前呼んじゃってるの?

「何?」

不機嫌に短く返すと、ニヤッと口端を上げて耳元に近寄る顔。


「葵、すげーいい匂いする。…昨日の朝シた後の、みたいな?」

囁きついでにチュッとキスを落として、何事もなかったかのように歩いていく彼。


残されたのは瞬時に思い出して慌てる私と、何のことかうっすら気が付いて頬を赤らめている美樹ちゃん。




その声だけで欲情に揺れてしまう私。


…よかった、仕事終わりで。
< 4 / 4 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:20

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

もっと大切にする~再会のキスは突然に~
  • 書籍化作品
[原題]もっと大切にする

総文字数/51,247

恋愛(オフィスラブ)148ページ

表紙を見る
だから、恋なんて。

総文字数/137,365

恋愛(オフィスラブ)365ページ

表紙を見る
ひとりの夜

総文字数/4,833

恋愛(その他)10ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop