天神学園高等部の奇怪な面々26
そんな彼女にとって、今週末は待ちに待ったイベントだった。

『天神海岸が、海開きらしい』

そんな情報を持ち込んだのは、物理教師の銀(しろがね)教諭だった。

え?

六月なのに、もう海開き?

首を傾げるアリスカの前で、銀は『無の本』と称する本に何やら書き込み、「シャランラァ~☆」とたわけた事を抜かす。

まさに。

まさにそれと同時に、学園の外を宣伝カーが通過していく。

何でも、まるで計ったように今週末海開きという知らせをしていた。

…手品?

マジック?

それとも魔法?

怪訝な目で見つめるアリスカに。

「気にしなさんなぁ」

銀は銀色の瞳を細めて笑うのだった。

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