愛いっぱいCHU
私は今朝の余韻に浸りつつ先生のあの服がはいった紙袋を片手に化学準備室のドアを勢いよく開けた。

「・・・はい?」

なに、このキャピってる女生徒たちはっっ。

「せんせー、ここわからないんですけどぉー?」

「せんせー、ここ重要ですかー?」

なっ、なんなのよーーっっ。私のっ、私の先生よっっっ。

ひっつかないでよーーーっ

「か・・神崎?」

先生はやっと私の激しく不機嫌な顔に気づいた。

「・・お前ら・・もうすぐ授業始まるからもう教室戻れ」

そう言われた女の子たちはしぶしぶ化学準備室から出て行った。

「・・・・」

「オイ・・神崎・・」

私は先生に呼ばれたけど知らん顔をした。

「・・・あすか、こっちへこい」

「え・・・」

今さら、またあすかと呼ばれたことがうれしくてつい反応してしまった。

「何、ムクれてんだ、お前」

「・・だって・・」

先生は口端を少し上げて私の顔を覗き込んだ。

「なんだ、お前・・妬いてんのか?」


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