愛いっぱいCHU
私はもうあふれる涙を止めることができなかった。

いくら言っても足りない・・。どうしたら私のこの想いがちゃんと伝わるの・・?

好きで好きで・・そして先生に受け入れてもらえた・・。

私、今・・一体どんな顔をしているの・・?

わからない。こんな幸せな気持ちになったことがない。

先生が、いとおしい・・。

「あ・・」

「・・どうした?」

私はふとこの化学準備室に来た理由を思い出した。

なぜ来たのか・・・。それは、

「先生、これ・・・」

私は傍らにおいていた紙袋を先生に手渡した。

「・・なんだ・・この袋・・」

そして先生は不思議そうに紙袋をあけた。

今・・私、すごくドキドキしてる・・。

「・・あすか・・これ」

私はさっきからの涙の延長でまた涙目になりながら先生を見上げた。

「先生、私のこと・・守ってくれてありがとう・・」

好きと同時にこの感謝の気持ちもどうやったらうまく伝えられるのか、ちっともわからない。

「あすか・・」

先生は少し微笑みながら私の頭に手を置いた。

そして私はそんな風に優しく微笑んでくれた先生をみて想いが胸に込み上げてきた。

「私っ、ずっとずっとあのときに助けてくれた人にお礼が言いたくて・・!ずっとこの服大切にしまってた。沙都が教えてくれなかったら私はこの服の持ち主が先生だってことずっと知らずにいるところだった」

先生は黙って私の話を聞いてくれている。

時折、溢れすぎた私の涙を拭ってくれながら・・。




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