愛いっぱいCHU
「私っ、先生のこと大好きで、感謝もしてて、この気持ちをどうやってうまく伝えていいのかわからないよっ!」

あのレイプ未遂のときに助けられて、直哉との別れから恋愛なんてもうしたくないって思った・・。

だけど沙都の家で先生をみかけて・・自分でも信じられないけど・・一目惚れした。

先生がいなかったら、今の私は確実に存在しない・・。

どれだけ感謝しても・・どれだけ好きになっても、全然足りないよ・・

「先生は覚えてないかもしれないけど・・私ね、中学生の頃初めて先生に会った時、一目惚れしたの」

先生はちょっと意地悪な顔をして私の顔をもちあげてこう言った。

「受験前、ウチの玄関、・・だろ?」

え・・・

「先生っ・・覚えてたの!?」

さらに先生はニヤっとした。

「ああ・・あのときにすぐわかったよ、あの夜レイプされかけてた子だって」

う・・うそっ。

て、ことは先生はずっとあのとき助けたのは私だって知ってたってことなの・・!?

「あすか」

先生は急に真剣な顔つきになった。

私に真剣に向き合ってくれている・・。

「俺はお前が気付かない方がいいと思ってた。あの現場を見た人間が自分の知っている人間と気付いたときのお前を思うと・・」

先生は思ってたよりもずっと私のことを考えてくれていた・・。

ただの妹の友達のことを・・・ただのイチ生徒のことを・・・先生に片思いをしているただの・・私のことを・・。

「先生・・」

私は先生の手を自分の火照った頬に持っていきながらさっきの先生に負けないくらい精一杯優しく微笑んだ。

「ありがとう・・先生・・私はもう大丈夫。だからこの服を返すこともできたんだよ・・?本当に・・あのとき・・私を助けてくれてどうもありがとうございました・・」


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