愛いっぱいCHU
「う・・ん。あのね、せんせ・・」

「いいから、とにかく昨日帰り際に出した課題をだせ」

「・・はぁーい・・」

言いかけてた言葉を途中で止められた私はふてくされながらノートを先生にみせた。

いつも先生はコンタクトだったり眼鏡だったりいろいろだけど、今日はどうやら眼鏡の日みたいで私のノートを採点するために眼鏡をかけなおした。

・・おもわず見とれてしまう、横顔・・。

こんなに素敵な人が私の彼氏だなんて・・。

いまだに信じられないよ。

誕生日のことを覚えてくれてなくてもこの横顔を見ていられるのなら・・私はやっぱり幸せだ。


「・・で?どこいくのか決まってんのか?」

「え・・?」

先生は下を向きながら黙々と採点を続けている。

「・・今日はお前の誕生日なんだろ?」

お・・

「覚えててくれたの!?先生!」

「俺は物覚えがいいんだ」

うれしいっ。

どうしよう。顔が・・なんだか火照ってきたよ・・。

先生はいつも私のことを熱くする。

どうでもいい言葉の端々でも・・ちょっとした仕草でも・・。


そして採点を終えた先生はノートを閉じ、ペンを置いて私の方をみた。

「で?どこいくんだ?」

・・ど・・どうしよう・・せっかく先生が覚えててくれたのに私ってば何にも考えてない!

でも先生と二人きりになりたい・・。

今日くらい先生と生徒みたいな関係じゃなく・・恋人に・・なりたい。

「あすか?」
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