愛いっぱいCHU
「・・ここに・・いたい」

「え?」

ボソッとつぶやいた私の言葉にちょっと驚いた感じの先生・・。


そう・・ここでいい・・。違う、ここがいい。先生が暮らしているこの部屋がいい。


「あすか?」

先生は私の顔を覗き込んだ。

そんな先生の無防備な行動にドキドキしてしまう。

「あのね、先生。本当はいっぱいいろんなとこに行きたいっ。だけどね、今は・・ここが私が今一番いたい場所なの・・」

「・・・」

「それにねっ、人の目気にせずに先生と恋人できるもん」

先生がじっと私を見ている・・。

なんだか恥ずかしくってつい目をそらしてしまう。

「あ・・のっ、だから・・先生?今日は先生と生徒じゃなくても・・いい?」

私は先生の様子をうかがいながらひとつひとつ言葉を選んでしゃべった。



先生は無言で立ち上がり壁際の方に移動してそのまま床に座り込んだ。

そしてかけていた眼鏡を静かにはずした。


どうしよう、私・・。

まさか、怒らせてないよね・・?

なんだか意味の分からない不安でいっぱいになった。
< 134 / 226 >

この作品をシェア

pagetop