愛いっぱいCHU
「私・・純平のこと好きです」

優ちゃんは純平くんと同じようにまっすぐストレートに想いを口にした。

そんな優ちゃんの顔はとても穏やかで、幸せそうだった。


「・・純平があすか先輩のこと好きなのずっと前から知ってたんです・・」

「え・・?」

私の驚きをそっちのけに優ちゃんはしゃべり続ける。


「誰よりも近くで純平のことみてきたから・・すぐにわかりましたよ。あすか先輩に惹かれていってるって・・」

「・・・」

「この学校だってあすか先輩がいるからテニスの推薦蹴ってまで受験した・・で、私もそんな純平のこと追っかけて受験したんです・・」

・・ホント笑っちゃう・・。

だってさ・・・。


「ねぇ・・優ちゃん?」

「はい・・」

「優ちゃんは純平くんを追って・・純平くんは・・私を追ってこの学校に来たんだよね・・?」

「・・は・・はい・・」

優ちゃんは不思議そうな顔で私を見る。

「私ね・・・好きな人追いかけてこの学校に来たの・・」

「え・・!?」

「ただ・・がむしゃらに追いかけて・・追いかけて・・・・想いが伝わったのか、伝わってないのか・・私のこと好きなのか、好きじゃないのかも・・わからなくて・・」

私は嘘くさい笑顔を作りながら優ちゃんに話す。

「先輩・・」

「・・・」

「それでも先輩は好きじゃないんですか?それでも私は純平のことが好きです」

優ちゃんは嘘なんかまるでない素直な笑顔で私にいった。


< 154 / 226 >

この作品をシェア

pagetop