愛いっぱいCHU
先生はドアに背を向けながらいつもの窓際の席で机に向かって黙々と資料やらファイルやらをチェックしていた。

いつもと同じ光景・・。


あの場所に座っているのは私の恋人・・。

私の大好きな人・・。

「・・先生・・・」

私は聞こえるか聞こえないかくらいの声しか出なかった。



「・・・なんだ・・初めてだな・・。この部屋に静かに入ってくるのは」

先生はこっちを見ずに言った。


そんな背中にいますぐ飛んでいって抱きしめたい・・。

先生のぬくもりを感じたい・。


・・・いけるわけなんかないのに・・。



「あ・・の、先生・・昨日のことなんだけど・・」

私はビクビクしながら話を切り出した。

先生は私がこの部屋に入ってきたときのまんま机に向かって仕事を続けていた。


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