愛いっぱいCHU
この場から早く逃げ出したい・・!

お願い!純平くん!!

私は祈るような気持ちで純平くんの腕をつかんだ。

「・・・」

「・・オレだったら・・先輩のこと泣かしたりしない・・!!」

そう言って純平くんは足早に廊下を歩いていった。

「せ・・先生・ごめんなさい・・!」

私もその後についていく。

もう先生は追いかけてくれることもない・・。


きっと・・呆れてるんだよ・・。

怒るわけでも、許してくれるわけでもない。

私の話を聞いているのかどうかもわからなかった。

先生がこんなに好き・・。

だけど先生は・・?

それすらも答えてはもらえなかった・・。


「先輩?」

前方を歩いていた純平くんが私に話しかけた。

「あ、なに・・?」

私は精一杯の笑顔をつくる。

「オレ・・ホントに先輩のこと好きだよ?」

・・不覚にも・・ドキッとしてしまった。

先生は絶対くれない甘い言葉をたくさんくれる彼・・。

たったひと言でいい・・。

先生からの好きのひと言が・・・欲しい・・。

「ねぇ・・純平くん・・みんな好きな人のこと追いかけてるんだね・・」


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