愛いっぱいCHU
「歩けそうなら帰るか?送るよ」

先生は私にそっと手を差し伸べてくれた。

そして私たちは学校をでる。


帰る道中お互いが何を話していいのかわからずにただひたすら無言で歩き続けた。

先生が電車の中で不安定な私の体を支えてくれていた・・。

私の体は熱を持ったように熱くなる。

心拍数もすごくあがっている。

先生に気付かれるくらいドキドキが止まらない。

電車を降りてからも私に気遣って歩いてくれている。

何気ない優しさがまた私の心を揺さぶる。

私は先生の横顔をじっと見つめた。


先生を独り占めしたい・・。

だれにも渡したくなんてない・・。

好きで好きで胸がつぶれそうになる。

私のこと好きになってもらいたい。


「あ、先生・・家・・」

先生は自分の家を通り過ぎた。

「い、いいよ、もうすぐ私の家だし・・」

「何言ってんだ、いいよ、送るから」

お互いが全く譲らずに久住家の前で言い合いをしていた。



「・・あ・・、先生・・」

空の方からポツポツと雨が降ってきた。

「雨・・だな」

そう言ってる間に降ってきた雨はだんだんと強くなってきて雷までもが鳴りだした。

「とりあえず入れ!!」

先生は私を久住家に誘導した。

急いで家の中に入ったけど、突然のようにスコールみたいな雨が降ってきたのでだいぶと濡れてしまった。

「・・クシュン・・」

ついくしゃみが出てしまった。


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