愛いっぱいCHU
「お前らが付き合ってるって全校生徒やセンコー共が知ってるとでも言うのかよ?」

・・・あ・・!


私は突然何かに気付いたような心の衝撃を受けた。

直哉のひと言で・・。


私の顔は情けないくらいボケっとしていて、目も焦点が合っていなかった。



「・・・だからお前はバカなんだよ。物事の本質をみようとしない・・。自分の気持ちだけで突っ走る。その出来事に行き着くまでの理由を全く考えない・・。」


言われていることが最もすぎて何も反論できない・・。

反論する気なんて毛頭ない・・。

恥ずかしくって顔もあげられなかった。




「ホラ、お前んちついたぞ」

気がつけば家の前までたどり着いていた。

降っていた雨もだんだんと小降りになっている。

「・・ありがと・・直哉・・」

直哉にこんな大切なこと気付かされるなんて・・。

ううん・・。

直哉だから言えたんだね・・私に・・。

「バカヤロウ・・・キャラじゃねーよ・・」

直哉はボソッとそう言いながら私に背を向けた。

直哉と付き合っていた頃・・・私の一番好きだった少し照れた感じの顔をしながら・・。










・・・私は次の日熱を出した・・。

やっぱりあの雨がこたえたみたい・・。

土日で休みだったからよかったけど・・。


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