愛いっぱいCHU
「・・・・」


・・・。

・・ダメだ!やっぱりこんなモヤモヤしたの耐えられない!!


「ねぇっ!沙都っ!先生無事行った!?体調とか普通だった!?忘れ物とかしてないよね!?」

「ちょっ・・!待って・・わかったからー・・」

私の興奮とは全く正反対の沙都が少しひいているのが手に取るようにわかる。

見送りにはいかないって決めたけど、やっぱ気になるんだもん・・。

こんなモヤモヤした気持ちずっと抱えてらんないよ!


「お兄は無事行った。体調も万全だった。忘れ物もしてない」

沙都は私の聞いたことをすべて簡潔に答えた。

「そっか・・・」

私はそう言うしかなかった。

聞きたかったこと聞いたのに・・なんだろ・・この胸に残る感じ・・。


「・・・あとは・・あすかに・・」

沙都が言った言葉に私はすかさず反応して勢い任せに沙都の方に顔を向けた。

「・・待ってました、と言わんばかりだね・・」

沙都も少し呆れていた。

だって・・『あすかに・・』って残してくれた言葉が嬉しいんだもん・・。

先生が最後に残していってくれた言葉ってなんなんだろ・・。


「え・・とね、あすかに伝えといてくれって・・化学準備室のお兄の机の引き出しの中にあるやつを取りにいけって・・」


「え・・・」

予想外の言葉に私は少し戸惑った。

化学準備室・・って・・。
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