愛いっぱいCHU
私は引き出しの中のものをすべて取り出した。


「・・参考書・・・?」

取り出したものすべてに問題集やら対策やらという文字が踊っていた。


なんで・・こんなもの・・。

そんなものがここにある理由もわからなかった。なぜなら化学準備室にも関わらずいろんな教科のものが混在していたからだ。


私は参考書の中身をペラペラとめくってみた。


「・・え・・?」


なに・・これ・・!?



他の参考書も同じようにペラペラとめくった。

「・・これも・・!?」


全部・・全部・・赤ペンでチェックがされていた。

どの参考書も全ページにわたって細かく要点が・・解き方が・・書いてあった。

いつも黒板で見てきた先生の筆跡で・・。

受験科目であるすべての教科の参考書・・。


「・・先生・・っ・・!」

いつからこれを用意してくれていたんだろう・・。

それを思うと先生への想いが溢れてきた。

私は先生の置いていってくれた参考書を胸に泣き叫んだ。


< 202 / 226 >

この作品をシェア

pagetop