愛いっぱいCHU


そんなこんなでやっぱりクリスマス返上になった私だったけど、お正月は神頼みもかねて沙都と初詣にいくことになった。


あっけなく大晦日となり、キッチンではお母さんが張り切っておせち料理をつくっていた。

テレビは年末の特番が流れていてお笑い番組を横目に年末なんだなぁ・・と、一人感慨深くなっている。

沙都の話によると先生はお正月も実家には帰ってこないみたい。

受験が終わるまで会わないと決めたとはいえ、少し・・いや、だいぶとガッカリしてしまった。

もしかしたら実家に戻ってきたりしたら偶然を装って顔くらい見れるかも・・・とあまりにもセコいことを考えてしまっていた。

どうも自分の意志の弱さを感じてしまう・・。


もともと勉強なんか好きでもなんでもない私だからさすがに今日はいつにも増して勉学に勤しむ気が全くおきない。

そんな私は自分の部屋でベッドに横たわっていろいろと考えていた。

学校のこと、受験のこと、友達のこと、先生のこと。


他愛のないことが頭をかすめる。

そうして私は地味に今年の1年を振り返っていた。
















「あすかーーー!あすかーーー!!」

・・・ん・・?

体が揺れるぅーーー。

「ねぇ、あすかってば、起きなさいっ!沙都ちゃんと約束してるんでしょ!?」

・・・・?


・・・・ーーーー!?


「うわっっ!」

私は急いで飛び起きた。
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