愛いっぱいCHU

「あ・・・」

ヤバい・・。

完全に自分たちの世界に入ってたよ・・。


「いくぞ」

先生が私の手を力強く引っ張って歩き出した。

そんな先生の顔をチラッとみてみると、だいぶとうつむきながら耳まで真っ赤になっていて冷や汗までかいていた。


・・・かわいいなぁ・・・先生・・。





学校の帰り道・・。

いつも通りの電車に、降りる駅、そして家までの道。

私たちは変わらずに二人で歩いた。


ただ・・・私は高校生じゃ・・なくなった。


「ねぇ・・先生?これ・・ホントにいいの?」

私はカバンの中に大切にしまった婚姻届をチラッと見せながら言った。

「・・・いいよ、それはもうお前のものだ。お前に覚悟ができたときそれにサインすればいい。二人で出しにいこう」

「先生・・・」

そんな風に言う先生はとても穏やかだった。

でも突然顔がキリッとやたらとかっこよくなった。


「先生・・・!?」


「とりあえず今からお前んちに挨拶に行くから」

え・・・・?

「えええええーーー!?今から!?」


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