愛いっぱいCHU

なに・・?ホントに今日の先生かわいすぎなんですけどっ!?

私もそんな先生のらしくない行動がむちゃくちゃうれしい!


「先生!ありがとっ」

私は大股で駆け寄って先生の腕に抱きついた。

先生の顔はまだまだ真っ赤のままだ。


「先生?私ね、先生がはじめてさっき好きだっていってくれてうれしかったよ。だってずっと聞きたかったんだもん」

先生の顔はだんだんといつもの顔色にもどっていった。

そして静かに口を開く。


「・・お前が不安がってるのも知ってたし、言って欲しいだろうな、っていうのもわかってた・・けど、どうしてもこの気持ちを口にすることができなかった」

「先生・・?」

「正直俺は教師失格だ。生徒であるお前と関係を持った・・。ただそれでもまだお前の前で教師である俺も存在できた。・・・けど、気持ちを言葉にしていうと最後、もう俺はお前の前では一瞬でも教師になれないと思った。・・・・悪かったな、随分泣かせて・・」


どうしても言葉で言って欲しかった私と、どうしても言葉では言えなかった先生・・。

お互いがお互いに苦しかった。

『好き』って言葉に二人して縛られていたような気がする。

だけどやっぱり言葉にされるとうれしい・・さっき初めてしったよ・・。

それだけで自分の自信になる。

好きな人に好きって言ってもらえるのってなんて誇らしいんだろう・・。



「先生・・私もう生徒じゃないわ・・。私、今先生の隣にちゃんと立っていられてる?」

私はじっと先生の目を見つめる。

「・・ああ・・俺とお前はただの男と女だ」

そんな当たり前のことがこんなにもうれしい。
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