愛いっぱいCHU
それでもお互いのことを理解し、尊重し合っていた二人はそうして幾重にも時を重ねて二年ほどたって高校三年生になった先生は住んでいた学校の寮を出て、そして彩さんも陽子さんと二人で住んでいた家を出て・・・彼氏、彼女の関係を通り越して籍を入れたって・・。

もちろんそのことは久住の家の人も知っている・・・彩さんの方はご両親が亡くなられてて家族は陽子さんだけだった。

「俺たちは幸せだった・・。半人前な家庭だったけど極上の幸せを手に入れた。・・・だけどそれもたった3ヶ月後には崩れ去った」

・・・どうゆう意味なの・・?

聞いてるだけでもどんなに二人が愛し合っていたのかが・・・伝わるくらい幸せで・・仲が良さそうなのに・・・。



そんな風に話す先生はまっすぐに何からも逃げることなく前だけを見据えて・・・それでも過去に憧れて・・・。

今・・今・・やっとわかった・・。

先生の『一番』って言う意味が・・・。


『一番目の恋人』の意味が・・・

・・・でも・・

でも、どうして・・

「先生・・どうして・・その3ヶ月でなにがあったの・・・?」

私は疑問を先生に問う。

だけどその疑問をぶつけた後、ほんの少し私の中に『後悔』という二文字が頭をかけめぐった。



だってね・・その時の先生の顔はさっきまでの冷静でまっすぐ前だけを見ていた人じゃない・・。

私は・・・聞いてはいけないことを聞いたんじゃないかって・・・。

その時の何ともいえない先生の顔から読み取れる気がした・・・。
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