愛いっぱいCHU
「ねぇ、あすか・・お兄が結婚してたこと隠すつもりはなかったの・・。ただ・・お兄に彩さんへのこだわりをどうしても忘れてほしくて・・」

「沙都」

なんだかんだいっても先生のこと思ってるんだね・・沙都。

沙都のそういうところとても大好きよ・・。

「教室戻ろっか」

「なーにいってんのよ、あすかっ。もう6時間目も終わる頃だよ。『帰ろう』のマチガイでしょ!?」

「そっかー、そうだね」

私たちはバカ騒ぎをしながら校舎へ向かおうとした。

裏門から木がいっぱいの日陰のある体育館裏への道を行く・・。

正門前を通って教室へ・・。

そんなとき私を呼ぶ声が正門の向こう・・・外の方から聞こえた。

「あすかっ」

私はおそるおそるその方向を見た。

「な・・直哉・・」

うそ・・なんで・・!?

でも、まだ終わってなかったっけ・・直哉のこと・・。

「あすか・・行っちゃダメよっ、あすかーーーっ」

私はそんな沙都の言う声も無視して直哉の元へと歩き出した。

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