愛いっぱいCHU
「・・へ・・・?これって昨日の・・?」

「そう・・みたい・・」

なんと学校の掲示板の一面を飾っていたのは昨日私と先生が家に入る瞬間だった。

「なんだ・・・。そんなの沙都のとこに遊びにきたっていえばいいんだよねーー?」

私はあっけらかんと沙都にいった。

「・・・・ごめん・・あすか・・私たち学校に報告してないんだ・・・兄妹って」

・・え・・?・・ええーー・・?

ええええーーーーーー!?

「そんなの聞いたことなかったよーーー」

「ごめんっっ。いいよ、あすか校長んとこ行って全部話せば済むことだしっ」

・・・赤の他人・・ってことにしてたんだ・・。初めて知った・・。

その後私と沙都は1階の渡り廊下の掲示板から人の目をかいくぐって進んだ。

私の記憶ではこの時間は化学準備室だったと思う。

もちろん先生のところだ。

私は思い切りドアをあけた。

「先生っっ」

「・・・・沙都・・神崎・・」

「先生ごめんなさい、ごめんなさい。わたしっ」

私は息をする間もなく先生に言った。

「なんだ・・早く教室いけよ。授業始まるぞ」

先生は少し考えていた。

「あーー、一時間目沙都んとこ授業か・・」

「お兄・・・ちゃん」

「自習だな」

先生はそういってこの準備室を出た。

私と沙都は急いで追いかけた。

先生がたどりついたことろは私たちが滅多に立ち寄りもしない場所だった。

「先・・生・・うそ・・」

「お兄ちゃんっ、もういいから言って。私と兄妹だって・・」

先生はそういう風に言う沙都の頭をポンと軽くたたいた。

「なんだ・・・らしくねーな・・」

先生は沙都をからかうように言った。

「先生・・」

「お前ももう戻れ」

そういい残して先生は私たちに背中を向けた。

今から先生は私のせいで責められるんだろうか・・。

あのものものしい校長室の扉の向こうで・・・。


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