愛いっぱいCHU
沙都が私に向かって疑問を投げかけた。

「さ・・沙都」

私は答えられなかった・・。答えられるハズがない・・。

だって・・それは・・私の過去の・・。

「売春だよ。バ・イ・シュ・ン」

なっ・・・!

「・・・」

直哉はまるでゲームをしているかのようなウキウキした表情で、私の中学時代の過去をいともあっさりとバラした。

「ば・・・売春・・って・・あすかが・・?」

「沙都」

私はそう言った沙都の方を振り返った。

今の私に沙都の表情をしっかりと見る勇気はなかった。

も・・う・・だめだ・・。親友の沙都に・・そして最も聞かれたくなかった最愛の先生に・・。

どうしたらいいの・・?

怖くて・・先生の方すら振り向けない。

だけどそんな私の不安をよそに先生は直哉の方に歩み寄っていった。

「へぇ・・興味深い過去だなー・・あすか」

先生は今まで聞いたことのないようないつもとは全然違う冷たい口調で・・それにこれから冒険にでもいくような・・まるでスリルを楽しんでいるような不敵な笑みを浮かべていた。

「・・先・・生」

「へぇ・・アンタ学校の先生になったんだ」


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