愛いっぱいCHU
「ねー?直哉は高校どーするの?」

「・・・」

あ・・れ?どしたんだろ・・。答えない・・?

「まだ決めてねーよ、そんなこと」

私は直哉が答える前の沈黙が気になったけど、もしそれを追求して変な喧嘩とかになったら・・と思うとそれ以上のことは聞けなかった。

とにかく私はそんな一年後の受験より今夜の直哉。

うん、うん、楽しみ♡

「それじゃ、俺行くわ」

「あ・・うん」

気がついたらもうすぐ2時間目が始まろうとしていた。

私に背中を向けて校舎の方へ歩いていった直哉の後ろ姿をじっと見つめる。

今、私の頭の中は直哉でいっぱい・・。

本能も理性もぜんぶ直哉一色。

いつでも直哉を求めてる。

親よりも親友よりも・・自分の身よりも・・直哉のすべてを求めてる・・。

「・・直哉・・」

私は今まで抱きしめていたくれた直哉のぬくもりを抱きしめる。

そしてその余韻に浸りながら私も校舎の方へ歩き出した。

今日の晩まで直哉とは会うことがない。

そう思うとちょっと悲しいかなー・・とも思う。

何気なく校庭を見渡す。

みんな楽しそうにバスケとかバレーボールとかやってたりするのを見ながらボチボチ歩く・・。

「あすかっ」

「沙都ー」

歩いていた前方から沙都が私をよんだ。

「もうすぐ2時間目はじまるよー」

私は沙都のいうことも耳に入らずただニヤニヤとした顔が元に戻らなかった。

「な・・アンタ・・なにニヤついてんのよ・・こわいし」

「聞いてよー、今日の晩ねー、直哉に家にこいって誘われたのーっ」

もちろん沙都に喜びを伝えずにはいられなかったのではりきって喜びを伝えた。

沙都はあきれ顔、あきれ声で言う。

< 67 / 226 >

この作品をシェア

pagetop