愛いっぱいCHU
「きゃーっ、髪の毛がーーーっ」

私は部屋を出て階段を慌てて降りて玄関へ向かった。

「いってきまーす」

そして扉を開けて夜の街へ飛び出した。

直哉・・・・・。

今いくからねっっ。

走って走って、ずぅーーっと直線を行く。

直哉の家まではそんなに遠くはない。

沙都の家へ行くのに歩いて10分ってトコなら、直哉の家は15分ってトコだ。方向もだいたい同じ方。

あーーーっ、こうして歩いてる間にもいろんな想像しちゃう。

んー・・例えば・・そう、高校入った時の私と直哉。

今よりはデートもゴージャスなとこ行けそうだしっ。

今じゃあんまり地元離れないからなー・・。

あ、でもその前に・・今からのことよねー。

・・あーーーっ、もうダメっ。妄想のしすぎでわけわかんなくなってきた。

それにしても不気味・・。

昼間歩いてるとそうも思わないけど・・いつも学校帰りとかで使う道・・・夜歩くとなんだか怖いくらい真っ暗・・。

人も通りそうにもないし・・。

変な人とかいないでしょーねー・・もうっ。

「・・・!!!」

前にいっぱいの人影がみえる。暗すぎて顔も見えないけど・・。不良の集まりか何かかなー。

やだなー・・あの人たちの前とおんなきゃなんないのよねー・・。

「うわぁ・・・・」

私はおそるおそるその人たちの前を通った。





・・・・・・一瞬だった・・・。

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